地方別まとめ
北海道・東北地方のまとめ【中学受験】自然・農業・工業の入試ポイントと確認テスト
中学受験社会の「北海道・東北地方」を1ページで総整理します。この地方の入試の狙われ方はハッキリしていて、①奥羽山脈を境にした気候差とやませ、②米・りんご・さくらんぼ・酪農の「日本一」、③理由を説明させる記述(なぜ酪農?なぜ冷害?)の3系統です。テキストの該当単元を学んだあとの整理と、テスト前の総点検に使ってください。
最後に一問一答30問(フラッシュカード対応)を付けているので、読んだらそのまま確認テストができます。
この記事の要点を一問一答化。「⭕覚えた/△まだ」で仕分けて、まちがえた札だけ復習できます。

⛰️ 地形 — 奥羽山脈を軸に整理する
東北地方の地形は、中央を南北に走る奥羽山脈(日本一長い山脈)を軸に、3列で覚えるのが鉄則です。
| 日本海側 | 中央 | 太平洋側 | |
|---|---|---|---|
| 山地 | 出羽山地 | 奥羽山脈 | 北上高地・阿武隈高地 |
| 川 | 米代川・雄物川・最上川(三大急流) | — | 北上川(東北一の大河)・阿武隈川 |
| 平野・盆地 | 秋田平野・庄内平野 | 山形盆地・福島盆地・会津盆地 | 仙台平野・北上盆地 |
- 湖 — 十和田湖(青森・秋田の県境、カルデラ湖)、田沢湖(秋田、日本一深い)、猪苗代湖(福島、東北最大)
- 北海道 — 中央に石狩山地(大雪山)、南に日高山脈。石狩川が上川盆地から石狩平野へ、十勝川が十勝平野へ。湖は摩周湖・洞爺湖(カルデラ)とサロマ湖(オホーツク沿岸)
- 海岸 — 三陸海岸南部はリアス海岸。下北半島(まさかり型)と津軽半島が陸奥湾を抱く
🌬️ 気候 — やませ・雪・流氷・濃霧
気候は「奥羽山脈のどちら側か」でまったく変わります。雨温図の読み分けも、この軸で判断します。
- 太平洋側(宮古など) — 冬の降水が少ない。初夏にやませ(北東からふく冷たくしめった風)がふくと、夏でも気温が上がらず冷害になる
- 日本海側(秋田など) — 冬の北西季節風が奥羽山脈にぶつかり、冬の降水(雪)が多い
- 内陸の盆地(山形など) — 1年を通して降水が少なく、夏と冬・昼と夜の気温差が大きい → 果樹栽培に向く
| キーワード | 内容(記述問題の型) |
|---|---|
| やませ | 初夏に太平洋側へふく冷たい北東風。日照不足と低温で稲が育たず冷害に。日本海側は奥羽山脈にさえぎられ被害が小さい |
| 冷害への対策 | ①田の水位を上げて稲を寒さから守る(水は空気より冷えにくい)②寒さに強い品種への品種改良(ひとめぼれ など) |
| 流氷 | 北海道のオホーツク海沿岸に1月ごろ着く。海流と風で運ばれてくる |
| 濃霧 | 北海道の太平洋側で春〜夏に発生。日照をさえぎり気温が上がらない → 根釧台地の酪農につながる |
| 北海道の気候 | 梅雨や台風の影響をあまり受けない。冬の寒さが厳しい |
💡 宮沢賢治「雨ニモマケズ」の「サムサノナツハオロオロアルキ」は、やませによる冷害を心配する農家の姿。岩手出身の賢治ならではの一節として入試の題材になります。
🌾 農業 — 「日本一」が集中する地方
稲作 — 全国の米の約4分の1
東北は日本を代表する米どころで、全国の米のおよそ4分の1を生産します。産地は「川と平野のセット」で覚えます: 庄内平野(最上川・山形)、秋田平野(雄物川)、仙台平野(北上川・宮城)。秋田県の大潟村は八郎潟を干拓してつくられた村として頻出です。北海道では石狩平野と上川盆地が中心。寒冷地でも育つ品種改良の積み重ねで、米の生産量は新潟県・北海道・秋田県がトップ3です。
果樹 — 盆地の気候をいかす
- りんご — 青森県が全国の約6割で日本一(津軽平野)。2位は長野県
- おうとう(さくらんぼ) — 山形県が日本一(山形盆地)。全国の約7割
- もも — 山梨県に次いで福島県が2位(福島盆地)。「りんご・ももの両方で上位」が福島の特徴
北海道の畑作と酪農 — 「なぜ」まで覚える
- 十勝平野=畑作 — じゃがいも・てんさい・豆類・小麦。地力が落ちないよう、年ごとに作物を変える輪作を行う
- 根釧台地=酪農 — 濃霧で夏も気温が上がらず稲作に不向き → 広い土地をいかした大規模酪農へ。乳牛の飼育数・生乳の生産量は北海道が日本一(生乳の5割超)
- そのほか北海道が生産量日本一の作物 — たまねぎ(約7割)・小麦(約6割5分)・じゃがいも・てんさいなど。「畑作もの=北海道1位」とセットで押さえる
- 岩手県は乳牛・肉牛・肉用若鶏の飼育がさかん(東北一の畜産県)
🌲 林業・水産業 — 三大美林と三陸沖
- 天然三大美林 — 青森ひば(津軽半島など)・秋田すぎ(米代川流域)・木曽ひのき(長野)。「2つが東北」に注意。秋田すぎは大館曲げわっぱの材料
- 北海道の林業 — 面積の約7割が森林。えぞまつ・とどまつは製紙・パルプの原料に(苫小牧)
- 三陸沖=豊かな漁場 — 暖流の黒潮(日本海流)と寒流の親潮(千島海流)がぶつかる潮目があり魚種が豊富。八戸・宮古・石巻などの漁港
- 養殖 — リアス海岸の穏やかな湾内で、三陸のわかめ・仙台湾(松島湾)のかき、陸奥湾とサロマ湖のほたて、北海道のこんぶ(全国の7割超)
🏭 工業と電力 — 高速道路沿いのICと再エネ
- 東北の工業 — 東北自動車道や空港の周辺に電子部品(IC)工場が進出(「シリコンロード」と呼ばれることも)。岩手・宮城には自動車の組立工場、福島には部品工場が立地
- 北海道の工業 — 地元の農林水産物をいかした食料品工業が中心で軽工業の割合が高い。苫小牧=製紙・パルプ、室蘭=鉄鋼、札幌=ビール・乳製品、函館・釧路=水産加工
- 電力 — 東日本大震災の原発事故を経て、東北では再生可能エネルギーの導入が活発に。日本初の地熱発電所は岩手県の松川(1966年)。風力発電は北海道や青森・秋田など日本海側の沿岸に多い(安定した強い風+広い土地)。風車には景観や騒音の課題もある
🚅 交通・世界遺産・文化
- 新幹線 — 東北新幹線(東京–新青森)を幹に、山形新幹線・秋田新幹線(在来線に乗り入れるミニ新幹線)が分岐。北海道新幹線は青函トンネル(1988年開通)で本州とつながる(新青森–新函館北斗)
- 空港 — 新千歳空港は「北海道の空の玄関」。羽田との路線は利用者数全国トップ級
- 世界遺産 — 白神山地(青森・秋田、ぶなの原生林)、知床(北海道)、平泉(岩手、中尊寺金色堂)、北海道・北東北の縄文遺跡群(三内丸山遺跡など)。釧路湿原は日本初のラムサール条約登録地
- 文化 — 東北三大祭り=青森ねぶた祭・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり。北海道はアイヌの人々の文化圏で、札幌・知床など地名の多くがアイヌ語由来。開拓の歴史(屯田兵)と、広島県からの移住に由来する北広島市のような地名も問われる
- 伝統工芸品 — 南部鉄器(岩手)・津軽塗(青森)・大館曲げわっぱ(秋田)・天童将棋駒(山形)・宮城伝統こけし・会津塗(福島)— 6県すべてに頻出品がある唯一の地方!
🔰 各道県のマーク(県章)
テキストの県別ポイントに添えられているマークは、各道県のシンボル(県章)です。入試で単独で問われることは多くありませんが、適性検査型や資料問題で「どの県のマークか」を選ばせる出題があります。「文字を図案化した県」と「形・自然を図案化した県」に分けて覚えると整理できます。
| マーク | 道県 | マークのもと | 覚え方のヒント |
|---|---|---|---|
![]() | 北海道 | 星(七光星) | 開拓使のシンボル「星」に由来。北の大地に輝く星 |
![]() | 青森県 | 県の形 | 地図で見る青森県の形がそのままマークに。津軽・下北の2つの半島の形も一緒に覚える |
![]() | 岩手県 | 漢字の「岩」 | 字をそのままデザイン化した文字系 |
![]() | 宮城県 | ひらがなの「み」 | 「み」を県花ミヤギノハギの葉の形にデザイン |
![]() | 秋田県 | カタカナの「ア」 | 「ア」が上へのびる形で飛躍・発展を表す |
![]() | 山形県 | 漢字の「山」と最上川 | 3つの山と、間を流れる最上川。県の地形そのもの |
![]() | 福島県 | ひらがなの「ふ」 | 「ふ」を羽ばたく形にデザイン |
💡 文字系(岩・み・ア・ふ)/形・自然系(北海道の星、青森の県形、山形の山と川)。「青森=県の形」は特に選択肢問題で狙われやすいポイントです。
※マーク画像はWikimedia Commons収載のパブリックドメイン画像をもとに作成しています(色はグレーに統一)。
✏️ 確認テスト!一問一答30問
タップ(クリック)で答えが開きます。上の起動ボタンからフラッシュカードとしても解けます。
地形・気候(Q1〜10)
Q1. 東北地方の中央を南北に走る、日本一長い山脈は?
奥羽山脈。太平洋側と日本海側の気候を分ける「東北の背骨」。
Q2. 初夏に東北の太平洋側へふく、冷害の原因となる冷たい北東風は?
やませ。日照不足と低温で稲の生育をさまたげる。日本海側は奥羽山脈にさえぎられ被害が小さい。
Q3. やませによる冷害への対策を2つ挙げると?
田の水位を上げて稲を寒さから守る水の管理と、寒さに強い品種をつくる品種改良。
Q5. 東北地方で最大の湖は?
猪苗代湖(福島県)。会津盆地と郡山の間に位置する。
Q6. 山形県を流れる三大急流のひとつは?
最上川。庄内平野を通って日本海へそそぐ。
Q7. 北海道のオホーツク海沿岸に1月ごろ流れ着くものは?
流氷。海流や風で運ばれ、港は3月ごろまでとざされることもある。
Q8. 北海道の太平洋側で春から夏に発生し、気温の上昇をさまたげるものは?
濃霧(海霧)。根釧台地が稲作に向かない理由につながる。
Q9. 北海道の気候の特徴を「影響を受けにくいもの」で言うと?
梅雨と台風。本州との大きな違いとして記述問題でも問われる。
Q10. まさかり型の下北半島と、りんご産地に近い津軽半島が抱く湾は?
陸奥湾(青森県)。ほたての養殖がさかん。
農業・水産業(Q11〜20)
Q11. 東北地方は全国の米のおよそ何分の1を生産する?
約4分の1。日本を代表する米どころ。
Q12. 八郎潟を干拓してつくられた秋田県の村は?
大潟村。干拓と稲作のセットで頻出。
Q13. 米の生産量トップ3の道県は?
新潟県・北海道・秋田県。
Q14. りんごの生産量日本一の県と、その産地の平野は?
青森県(全国の約6割)・津軽平野。2位は長野県。
Q15. おうとう(さくらんぼ)の生産量日本一の県と産地の盆地は?
山形県・山形盆地。全国の約7割を占める。
Q16. ももの生産量で山梨県に次ぐ2位の県は?
福島県(福島盆地)。りんごとももの両方で上位なのが特徴。
Q17. 十勝平野で行われる、年ごとに作物を変えて地力を保つ農法は?
輪作。じゃがいも・てんさい・豆類・小麦などを組み合わせる。
Q18. 根釧台地で酪農がさかんな理由は?
濃霧で夏も気温が上がらず稲作・畑作に向かないため、広い土地をいかして酪農を行う。生乳の生産は北海道が日本一(5割超)。
Q19. 天然三大美林をすべて挙げると?
青森ひば・秋田すぎ・木曽ひのき。秋田すぎは米代川流域、大館曲げわっぱの材料。
Q20. 三陸沖が豊かな漁場である理由は?
暖流の黒潮(日本海流)と寒流の親潮(千島海流)がぶつかる潮目があるから。リアス海岸の湾内ではわかめ・かきの養殖もさかん。
工業・交通・文化(Q21〜30)
Q21. 東北の高速道路沿いに多く進出した工場は何をつくる?
電子部品(IC・半導体)。空港や高速道路で製品を運びやすい場所に立地する。
Q22. 北海道の工業の中心は何工業?
食料品工業。地元の農林水産物を加工する。軽工業の割合が高いのが特徴。
Q23. 製紙・パルプの苫小牧、鉄鋼の都市は?
室蘭市。「苫小牧=紙、室蘭=鉄」のセットで覚える。
Q24. 日本初の地熱発電所がつくられた県はどこ?
岩手県(松川・1966年)。東北は地熱・風力など再生可能エネルギーの導入がさかん。
Q25. 風力発電の風車が北海道や東北の日本海側沿岸に多い理由は?
安定して強い風がふき、発電所をつくれる広い土地があるから。景観の悪化や騒音が課題になることも。
Q26. 本州と北海道を結ぶ海底トンネルは?
青函トンネル(1988年開通)。北海道新幹線が通る。
Q28. ぶなの原生林で世界自然遺産に登録された山地は?
白神山地(青森県・秋田県)。1993年に屋久島とともに日本初登録。
Q29. 日本初のラムサール条約登録地となった北海道の湿原は?
釧路湿原。たんちょうなど水鳥の生息地として保護されている。
Q30. 東北三大祭りをすべて挙げると?
青森ねぶた祭・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり。開催県とセットで覚える。
❓ よくある質問
やませとは何ですか?
初夏に東北の太平洋側へふく冷たくしめった北東風です。長くふくと日照不足と低温で冷害になります。「日本海側は奥羽山脈にさえぎられて被害が小さい」まで書ければ記述は満点です。
北海道の気候の特徴は?
梅雨と台風の影響をあまり受けないこと、冬の寒さが厳しいことです。日本海側の雪・オホーツク沿岸の流氷・太平洋側の濃霧、と3方向で特徴が違います。
この地方でまず覚えるべき「日本一」は?
りんご=青森、さくらんぼ=山形、生乳・たまねぎ・小麦=北海道、日本一長い山脈=奥羽山脈、日本一深い湖=田沢湖。ここまでが最頻出です。
記述問題で狙われるテーマは?
「やませと冷害の仕組み」「根釧台地で酪農がさかんな理由」「三陸沖が好漁場の理由(潮目)」「十勝平野の輪作の目的」の4つが定番です。いずれも本文の表現をそのまま使えます。






